Twitter300字SS/お題「食べる」
タイトル「いつも一緒に」
食べる、という行為は長らく生命活動の一環でしかなかった。
仕事に追われながら一人で暮らしているとそんなものだ、と思う。
それが、たったひとり、一緒に食卓を囲む相手ができただけでこうも違うものなのか。
「どうしたの?」
向かいに座る彼女が首を傾げる。何でもないよ、と応じて止まっていたであろう箸を持つ手を動かす。
彼女はさほど料理上手とは言えない。献立によっては自分の方が美味く作れると思うくらいだが、そこは不思議と問題に感じなかった。自分のために、自分の好きな物を作ってくれる人がいる。いつも一緒に食べてくれる相手がいる。それが嬉しい。だから。
「味、どうかな?」
尋ねる彼女には、必ずこう返す。「美味しいよ」と。
注釈:Twitter上の小説企画「Twitter300字SS」参加作品です。
特に、拙作既刊のキャラクターと関連づけてはおりません。久しぶりの、単体での作品です。
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